「よその女のアソコは絶対に見ちゃダメよ!」母さんは抱き合うたびに、目を血走らせて僕に言う。初めて母子の境界を越えて関係を深めたときから今日まで、それが決めゼリフになっていた。
料理も洗濯も苦手な家庭的とは言い難い女に、嫌気がさした父が家を出て別居生活を始めたのが、僕が高校2年の夏のこと。母さんは多感な時期の息子にも、平気で父の悪口を言い、自分の見方につくよう遠回しに説得をした。
父への同情心があっても、それを口に出すのは厳禁だった。そんなことをすれば母が怒り狂うのが目に見えて明らかだったからだ。気にならないことがあると怒鳴り散らし、ヒステリーを起こす。
感情の起伏が激しいというより、精神的に少し不安定なことろがあったように思える。なので僕はイエスマンになることを無条件で受け入れた。それが肉体関係でも、逆らわない従順な息子を求められた。
きっかけは料理が苦手な母さんと近所の食堂で夕食をたべていたときに見た変質者の挑発だった。作業着姿の陰気そうな男がテーブルの下で赤黒い肉棒を丸出しにして隣りの席から母さんにニヤニヤと笑いかけてていた。
女の子みたいに赤面していた母さんが、マンションの部屋に戻ったとたん、僕に抱き付いてきた。あまりに唐突のことで、頭がまっ白になってしまう僕に、母は歯を剥いた野良犬のように喉を鳴らして怒鳴りつけた。
「あんたさっき興奮してたでしょ、母さんが変態にスケベなことされてたのに、スケベな目をして面白がって見てたでしょっ!」当時、まだ女の子と付き合ったこともなかった僕には、ただの言いがかりにしか思えなかったが、今では母の心理がわかる。
変態男に挑発されて興奮してしまったことへの強い差恥心が、そんな行動を起こさせたのだ。羞らいを怒りに変換して僕を押し倒し、体をまさぐり、ジーンズごしにチンポを採み込む母の目は、尋常ではなかった。食堂での一件で妖しい感情にとらわれていた僕の体も海綿体を充血させていたところで、それをジーンズごしに確かめた母はなおさら逆上した。
「変態ッ、母親があんなことされていたのに勃起するなんて、この変態ッ!」ジーンズのジッパーから乱暴にペニスをこねくり出して、狂ったようにしやぶりだすからびっくりした。「やめてよ、やめてよ母さん!誤解だよ、うあああ!」涙声で訴えても、母さんは鎮まらない。
手を動かし、頭を前後して、亀頭をイソギンチャクみたいに吸引する。腰が震えて足がフラつき、頭の中身がカッと熱くなる。何が何だかわからないうちに僕は射精してしまった。母は怒りに狂ったように発情していた。
自分から裸になり、アソコを指で拡げて僕に紙めろと怒鳴り散らした。ナスビ色に変色したラビアはもうびっしょりと濡れていて、鼻を突くような異臭を放っていた。
そんなこと出来るはずがないだろうと首を横に振ると、「臭いの出したくせに!」とわめいて性器そのものを僕の顔に擦りつけて腰を振る。磯の香りにも似た発酵臭が娼薬みたいに僕の頭を溶かしていくようだった。
目は血走り、頼は震え、野獣のように喉を鳴らして迫ってくる38歳のむちむちの白い裸体。純粋に恐怖心を覚えるものも、好奇心も感じてしまう。僕もまだ思春期の少年だった。後ろ手で菱えたペニスを採みたくられ、強制的に充血させられた頃には、僕も狂ったように母の生肉を祇めまわしていた。
その後、騎乗位で童貞を奪われた。二人きりの生活が、この夜から一変した。母は理性のタガが外れたみたいに僕にセックスを強要した。ヒステリックにわめく姿を見たくなかったし、僕自身も母の狂態と初めて体験した女性器の心地よさに逆らえず、頭に浮かぶ父の顔に胸を痛めながらも母の下腹部に肉棒を押し込んだ。
子供の頃、一緒に風呂に入ったときから知っていた恥毛の薄いワレメがザクロのようにパックリと真っ赤な果肉を見せて波打ち奪く光景は、まだ10代半ばだった僕をあっけなく狂わせた。太腿を限界まで開脚して挑発する母の尋常でない表情に生睡を飲み、恐怖を感じつつも抱きついた。
赤く濡れた果肉が、すべてを忘れさせた。父のことも、そして目の前にいるのが母親だということも…。「あんただってチンチンおっ立ててるじやないの、さあ早くイレるの!」睡を飛ばしてわめく母に気圧され、僕は大開脚して満開になったナスビ色のラビアの奥に肉棒をぬるぬると押し込んでいく。これで終わりにしようと何度も思った。が、また母に強く迫られ、大開脚した下腹部を見せつけられると、どうにでもなれという気持になってしまう。
27歳になる現在も、母との関係は続いている。父とは5年前に離婚が成立して、今は母子二人暮らしだ。ここから逃げ出したいと思う気持ちはあるが、母の怒り狂う様が脳裏に浮かんで踏み切れずにいる。